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酒の名前

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前回の分類に引き続き、より細かく分けたときの「名前」について書きます。酒税法の分類に準じて説明しますが、用語は酒税法の定義よりも普通の意味を優先しています。

清酒

調査中です。品質の良いものについて「純米酒」「吟醸酒」「本醸造酒」といった特定名称が「清酒の製法品質表示基準」で定義されています。

焼酎

「焼酎甲類」と「焼酎乙類」に分かれます。連続式蒸留機を使ったのが「甲類」、単式蒸留機を使ったのが「乙類」。この違いはウィスキーやブランデーに関しても重要になってくるので、稿を改めて詳しく説明します。「甲類」はアルコール分が36度未満、「乙類」は45度以下と決まっています。原料によって米、麦、芋など各種あるのはご存知の通り。

みりん

酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律施行規則」では「本みりん」なる語を定義しています。その基準は租税特別措置法第87条の3第3項に書いてある通り、「アルコール分が25度未満21度以上」だそうです。これぐらい参照しないで繰り返してほしいものです。正直みりんには興味がないので、みりんについてこれ以上書くことはないと思います。

ビール

細かい分類はいろいろありますが、よく聞く用語は「生ビール」ぐらいではありますまいか。これは発酵後、加熱殺菌をしてないもののことです。

果実酒類

既に書いたとおり、サントリーの言葉を信じるなら「果実酒類」=ワインです。普段見かけるものは、ワインとシードルぐらいでしょう。ブドウから作るのがワインで、リンゴから作るのがシードルですね。シードルcidreはフランス語で、英語ではサイダーciderと言います。三ツ矢サイダーのサイダーです。「三ツ矢サイダー」という名前は、アサヒ飲料の説明によると、サイダーフレイバーエッセンスを加えて売られた鉱泉水に由来するそうです。ワインにはご存知の通り、赤・白・ロゼ・スパークリングという大きな分類があります。簡単に言うと、「発酵させてから絞る(果肉、種子、果皮を取り除く)」のが赤、「発酵させてる途中で絞る」のがロゼ、「絞ってから発酵させる」のが白です。当然赤いものほど渋みがあります。スパークリングはその名の通り、炭酸を含んでいて泡を吹くものです。シャンパンというのはフランスのシャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインのこと。「シャンペン」は「シャンパン」の訛りで、おそらくフランス語のchampagneを英語で「シャンペイン」と発音することからきたのでしょう。それ以前に「シャンパン」がそもそも「シャンパーニュ」の訛りで、フランス語ではどちらも同じchampagneなのですが。シャンパンは白が多いように思いますが、スパークリングにはロゼも赤もあります。シェリーはブランデーと混ぜてアルコール分を多くした白ワインの一種で、スペインのヘレス周辺で作られています。

ウィスキー・ブランデー

ウィスキーの多くは、醸造・蒸留・熟成のあとブレンドして、さらに後熟という工程を経て出荷されます。ブレンドする前の原酒のうち、麦芽だけを原料とするものをモルトウィスキー、発芽してないトウモロコシなどを主原料とするものをグレインウィスキーといいます。モルトウィスキーだけを混ぜてできたのがピュアモルトウィスキー(単にモルトウィスキーと呼ばれることも多いようです)。そのまんまですね。原料以外に、モルトウィスキーには単式蒸留機を使い、グレインウィスキーには連続式蒸留機を使うという重要な違いがあります。これについては焼酎とまとめて説明しましょう。ウィスキーの種類として有名なのが、アイリッシュ、スコッチ、バーボン、テネシーといったあたりです。それぞれ産地がそのまんま名前になっています。バーボンはケンタッキー州バーボン郡で作り始められたことから。スコッチの特徴は、麦芽を泥炭の煙でいぶしてから発酵させること。「煙」を使わないのがアイリッシュ。バーボンとテネシーは「焦がした樽」を使って熟成させるのが特徴です。それらの違いはチャコールメロウイングcharcoal mellowingの有無で、やるのがテネシー、やらないのがバーボンです。チャコールメロウイングとは、蒸留した直後の溜出物をサトウカエデの炭で濾過すること。日本産のウィスキーはスコッチもどきです。これは有名な話ですね。

ブランデーには数多くの種類があるのですが、カテゴライズされていません。産地名を冠したコニャック、アルマニャックは有名ですが。

スピリッツ類

前にも書いたとおり、ジン・ウォッカ・ラム・テキーラの四大スピリッツが代表的です。ジンは杜松(ねず)の実を原液に浸して作ります。原液はトウモロコシなどから発酵させ、蒸留した後のもので、杜松の後でさらに蒸留します。ウォッカは穀類(わりと何でも使うようです)から発酵・蒸留した後、しらかばの炭(笑)で濾過したもの。ラムはサトウキビの絞り汁を煮詰めたものが原料です。テキーラはメキシコ原産のアガベ・アスール・テキラーナAgave Azul Tequilanaというリュウゼツランの一種から作ります。塊茎みたいな部分を糖化して発酵させるのです。

酒税法による「スピリッツ類」の定義は「焼酎」とすれすれです。どれぐらいすれすれかというと、四大スピリッツを名指しで「焼酎」から除いておいてやっと区別できるぐらいです。酒税法第3条5号のロ、ハ、ニがそれにあたります。ロ「しらかばの炭」はウォッカ。ハ「含糖質物」はラム。ニ「浸出」はジン。テキーラが何を根拠に「焼酎」から除かれるのかが未解決です。ご存知の方がいらしたらご教示ください。スピリッツの5番手をあえて挙げるとすれば選ばれそうなのが北欧特産のアクアビットですが、これも怪しいところです。ジャガイモが主原料ですから、おそらくはテキーラと同じ根拠によって「スピリッツ」に入れられそうですが。

リキュール類

これは数え上げればきりがありません。ざっと調べただけでもクレーム・ド・カシス、コーヒーリキュール(カルーアは商品名)、カンパリ、ペパーミント、キュラソー、チェリーブランデー、アブサン、アロマチックビターズ、高麗人参酒ぐらいはすぐに出てきます。家庭で作る梅酒もここに入ると思えば、数限りなく出てくるのはお分かりいただけると思います。ましてカクテルに至っては、そこからさらに果汁やら炭酸やらを混ぜるのですから無数の種類があります。カクテルについてちょっと本格的に書けば、分厚い本が何冊もできてしまうくらいです。というかカクテルなんて毎年新しい混ぜ方が次々と生み出されているくらいですから、網羅することは土台不可能です。

雑酒

めぼしいのは「発泡酒」と「濁酒」ぐらいですから、適当に流しておきましょう。


last updated : 24 November 2004
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